【古代のチョコレート】
古代アステカ帝国の帝皇らが愛飲していた魅惑の飲みものがチョコレートです。神から授えられた食べ物として珍重されていました。
そして、16世紀にフェルナン・コルテス将軍率いるスペイン軍の侵略・征服によってこの「神の飲み物」は大西洋を渡りヨーロッパ大陸に渡ったのです。
この頃のチョコレートは、トウモロコシや胡椒などをカカオビーンズの粉末に加え煮たり、すりつぶしたりしてバニラの香りを付けてもので、甘さはなく苦みのあるドロリとしたものを飲んでいました。
このショコラトール(苦い味)がチョコレートの語源です。
スペインに伝えられたチョコレートはイタリア、フランスなどのヨーロッパ各国を徐々に魅了していきました。
チョコレートが液体から固体に変化するのは以外に最近のことで、19世紀ヴィクトリア王朝時代を目前にした頃です。
その後、チョコレートの改革は躍進を続けミルク入り、ハチミツ入りなどのよりクリーミーに変化してきたのです。
【チョコレートは完全栄養食】
チョコレートは栄養学的に見ても大変優れた食べ物で植物繊維までも含む「完全栄養食」です。
素早くエネルギーに変化し、老化防止の効果(ポリフェノール)や精神を安定させたり疲労回復効果(テオブロミン)もあります。
このため、昔のヨーロッパの貴族は「夜の媚薬」として食べていたそうです。今のユンケルか赤マムシドリンクのようなものでしょうか?
【お菓子用のチョコレート】
チョコレートには、加熱、加工されることを考えて製菓用につくられたものと、そのまま食べるものがあります。
ここで製菓用といっているのは、カカオ分の多いクーベルチュールチョコレートのことです。
国際規格でカカオ分が31%以上のもののみがクーベルチュールチョコレートを名乗ることができます。
日本ではこの国際規格を採用していないため注意が必要です。
大別するとスイート、ミルク、ホワイトの3種類だけです。
チョコレートは穀物と同じでその年の天候や産地やロースト方法によっても味が大きく異なります。
また、チョコレートの善し悪しがお菓子の味にストレートに出てくるため質の良いものを選びましょう。
■カカオマス
チョコレートは、カカオという木の実の中のカカオ豆の種子が原材料です。 この種子の中の胚乳部分(カカオニブ)をすりつぶしてペースト状にしたものがカカオマスです。
カカオマスにはカカオバターという油脂分が55%も含まれており、冷えて固まると外見はチョコレートですが、苦みが強いのでビターチョコレートとも呼ばれます。
■スイートチョコレート
その色からダークチョコレートとも呼ばれます。
カカオマスに砂糖とカカオバターを加えたものです。
カカオバターの油脂分が多いものは分離しやすいので自分の技量に応じたカカオの含有量を選びましょう。
■ミルクチョコレート
スイートチョコレートにミルク(粉乳)を加えたもの。
■ホワイトチョコレート
スイートやミルクチョコレートが茶褐色なのは、カカオマスの色。
白いのはカカオマスを使わずにカカオバターに砂糖とミルク(粉乳)で作っているためです。
■コーティングチョコレート
ケーキの上がけ用として専用に作られたもので、伸びが良く光沢の有る表面に仕上げられます。
カカオバターの代わりにやし油や綿実油などが使われているため、面倒なテンパリングも必要ありません。
■カカオバター
カカオ豆に55%含まれている油脂分で、無味無臭でこれだけ食べても美味しくありません。
カカオマス自体に含まれているカカオバターだけでは油脂分が足りないため補充するのに使います。■カカオパウダー
ココアパウダーともいいます。カカオマスから一定量のカカオバターを絞り取った後の固まりを粉末にしたものです。
お菓子作りに使用するカカオパウダーは無糖の純ココアです。
油脂分が20%前後のものを選ぶといいでしょう。【チョコレート・ムースの作り方】
【材料(4人分)】
セミスイートチョコレート65g、無塩バター20g、グラニュー糖35g、生クリーム35g、卵2個、飾り用(セミスイートチョコレート、ココア、粉糖各適量)
【作り方】
@チョコレートを細かく刻んでボウルに入れ、湯せんにかけ溶かす。
お湯の温度は60〜70度にする。
あまり混ぜると分離する。
Aチョコレートが完全に溶けたらバターを加えて溶かし、使うまで湯せんにかけておく。
B生クリームをハンドミキサーで8分立てにして冷やす。
C卵を卵黄と卵白に分ける。Aを湯せんからはずし、卵黄を
D卵白をハンドミキサーで泡立てグラニュー糖を2〜3回に分けて加えピンと角が立つ固いメレンゲに仕上げる。
(詳細はメレンゲの回を参照)
Eホイッパーでメレンゲの1/3をCの中に入れる。
ホイッパーですくってボールの縁でトントンとホイッパーをたたきメレンゲを下に落とす。 この作業を繰り返してメレンゲとチョコレートを混ぜる。
F残りのメレンゲを2回に分けてEの中に入れ、同様に混ぜる。★★(秘)テクニック★★
・完全に混ざりきる前に次ぎのメレンゲを入れるのがポイントです。
・ホイッパーを使用した方がメレンゲの泡がつぶれません。
泡をつぶさないように丁寧に作業しましょう。GFにBを1/3量づつ3回にわけて入れ、同様に混ぜる。
HGをグラスに入れ冷やし固める。
IHの上に飾り用のセミスイートチョコレート、ココア、粉糖を乗せる。